知り合いから「出演するのでぜひ」とご招待を受け、東京理科大学管弦楽団の春季定期演奏会@北とぴあ(王子)に行ってきました。
曲目はモーツァルトの「魔笛」序曲、チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」、そしてステンハンマル(1)の交響曲第2番です。ステンハンマルの交響曲第2番は日本でも2回しか演奏されたことがないとのことで、私はステンハンマルという作曲家自体を初めて聴くということもあり楽しみでした。
そもそもステンハンマル以前の問題として、好きな音楽ジャンルはクラシックと言いながら割と辺境(?)のバロック以前を聴くことが多い私としては、もうモーツァルト・チャイコフスキーという辺りで新鮮さ満点です。(笑)最近はどちらもほとんど聴いていなかったのですが、今日「魔笛」を聴いて、なんだかモーツァルトの音楽が聴くのを許してくれるような感覚に襲われました。ぼつぼつ音源揃えてみようかと。
ですがその一方、チャイコフスキーは弦-管でやり取りする見え見えの盛り上げ方に食べ飽きた感が感じられて、どうもいけません。ブラームスはよく聴くのにチャイコフスキーはなぜダメなのか自分でもよくわかりませんが、作曲家というより単に曲との相性なのかも。
ステンハンマルの交響曲は彼自身の独自の和声感覚によるのでしょう、全体に独特の透明感がある曲でした(ト短調だけでなく教会旋法のドリア調も使っているようです)。主題などに民族主義の要素を匂わせつつも、ねちねちしたりせずにきれいに燃え上がるような感じと言えばよいでしょうか。イメージとしては結構爽やかな北欧系ど真ん中に近い感じです(思いっきり独断ですが、ネットをちょっと見た限りではあながち外れてもいないかも)。第1楽章の出だしがヴィオラ・チェロのユニゾンといったところに象徴されるような管弦楽法にもその秘密があるのかも。途中、聴いていて意外なところでさくっと楽章が終わったりしましたが、終楽章は歌い上げるところありピチカートでの展開ありと楽しませてくれました。
なおアンコールではステンハンマルのカンタータ「歌」の「間奏曲」が演奏されました。これも私は初めて聴いたのですが、深い情感を湛えながらも上に書いた爽やかさを失わない佳曲でした。演奏会中の白眉だったのではないかと思います。
――ところで演奏会とは何も関係がないのですが、王子と言えば思い出すことがあります。
かつて大学生の私が電車に乗っていた時ですが、ドアの上の案内部分に「王子」という文字が光って表示されました。それを見たのか、一緒に乗っていた関西出身の先輩はおもむろに「いつも思うんやけど」と切り出しました。その先輩はまじめな方だったので、思わず私はその語り出しから何をおっしゃるのかと注意を払いました。
先輩は続けました。「『王子』って、点打ったら『玉子』やんな」と。
私はその落差とシュールさが忘れられず、「王子」という地名を聞くたびに堀江敏幸の小説と併せてその出来事を思い出してしまうのです。その方も先日めでたくご結婚されたのですが、私はこの出来事の面白さを人に説明しようとするたびにどうも今ひとつ通じず、歯がゆい思いをし続けています……。
----- ステーンハンマルとも。Carl Wilhelm Eugen Stenhammar 1871 – 1927, 詳しくは斉諧生さんによる紹介ページ、Wikipediaなどご参照ください。 [戻る]









































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