少し調べたらヘッドフォンもいくらか音楽をかけて慣らすとスピーカーの鳴りが良くなるらしい。それをエイジング(エージング)というのだそうだ*1。油を塗る度にリコーダーが響き出すように、使うほどに万年筆が使い手と一体化するように、あるいは長年共に暮らす人間が似てくるように、ヘッドフォンも共に年を取ることで味が出てくるということか。そう言えば茂木健一郎氏だったと思うが「カラオケは10曲ずつ歌った辺りからが面白い」と聞いたことがある。初めのうちは流行の曲を歌っていたりするが、だんだんとその人のコアになっている曲(挙がっていたのはさだまさしだった)を歌うようになるというのだ。カラオケには滅多に行かないが、なるほどそういうものかなと思わせられた。
というわけで、暇にあかせていろいろなCDをかけてみた。F.フェネル&イーストマン・ウインド・アンサンブルの「リンカーンシャーの花束」*2、ミュージカル映画の「ロシュフォールの恋人たち」*3、J.ウィリアムズ&ボストン・ポップス・オーケストラの「シング・シング・シング」*4、以前書いた課題曲の「ラメセスII世」、ついでにJ.S.バッハのブランデンブルク協奏曲*5。このへんで低音の鳴りが随分とよくなってきた感触。そこでふと思い立ってかけてみたのがミュンシュ&パリ管のブラームス交響曲第一番。いわゆる「奇蹟の演奏」の一つで、フランスのオケなのになぜかドイツ色満点、低音域バリバリの演奏として知られているが、改めて聴いてそれを再確認。冒頭の序奏からしてものすごい分厚さ。なにをしたらこうなるのか、この演奏の陰に一体なにがうごめいているのか。(笑) 締めはP.J.B.E.の定番(ルネサンス名演集)。もはや多くを語るまい。以前書いたメモはこちらとこちら。今さっきも後者のエントリーで書いた「儚いフリューゲルホルン」を聴いた。これ、Philip Jones本人なのかな。至福。そして何が困るかと言えば、聴くこと以外の他の作業が手につかなくなってしまうことだ。新しい演奏は一つも無いのに、どれも新鮮に聴こえてきて楽しくなってしまうことだ。(笑) エイジングで新しく見えてくるものもあるに違いない。
*1:そんなことも分からずにヘッドフォン買ったのかというツッコミは甘受しておきます。
*2:Lincolnshire Posy はまぞうで探したけど手持ちのCDが見つからない。Mercuryのもの廃盤なのかしら。と思ったらジャケット写真は同じで色合いを変えたものが「グレインジャー:リンカンシャーの花束」で出ていた。リンカーンシャーと「3つの日本舞曲」は一緒だけど、ミヨーのフランス組曲は手持ちのものにはなかった。そして聴きたくなった。(笑)
*3:Les Demoiselles de Rochefort いかにもジャケットのピンク色が似つかわしい。以前書いた落書きはd:id:gamma_ut:20051216:1134752487。
*4:It Don’t Mean a Thing If It Ain’t Got That Swing
*5:ここで書いたもの。2番のバロック・トランペット、リコーダー、バロック・オーボエ、バロック・ヴァイオリンの掛け合いが大変ごきげんで良い。聴いてて楽しくなる演奏。








































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