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『「悩み」の正体』

2007/04/11 (水) 01:54
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「悩み」の正体香山リカ『「悩み」の正体』読了。本文中にもあったが精神科医というよりケースワーカーの手記に近い内容。で、新書サイズでケースが沢山だからそれぞれへの掘り下げはあまりない。著者の人生観をさらっとコメントして終わり、と感じられるものも多い。だが基本的には「まえがき」にあるように、本当なら自分だけが原因と自分を追い込むべきではない悩み(介護、雇用、人間関係など)を抱える人々に対してそうではない、悩んでいるのはあなただけではないし、あなただけが悩むべき問題でもないと発信する趣旨なのだろう。単に悩みの原因を転嫁するだけではどうしようもないが、原因を近視眼的に見誤るのもよくないというわけだ。

 例えば「嫌われるのがこわい」と題された一節ではこのような結論に至っている。「誰かを”悪”と特定して非難したりいじめたりしても、本当の意味で安全な立場を確保することはできない。[略]『私の中にも彼と同じ要素はある』と認める勇気を持たない限り、不安は決してなくならないのだ。」(p.13)

 過剰防衛からいじめを説明した議論だが、私は次の文章を思い出す。

 オウム真理教の事件が起こった時のことだが、飲み屋で先生と話しているおり、周囲の人たちは、テレビ報道を聞きながら、「オウムの人たち」を揶揄し罵倒し、それを「楽しんで」いた。先生は、周囲の酔いの混じった喧噪を嫌悪しながら、自分の中にも「オウムの人たち」と同様の「暗闇」が住んでいることについて、そして自分は幸運にもそれを抑え終えていることについて語った。

 入不二基義「二つの頂点―『英文解釈教室』と『ビジュアル英文解釈』―」(『現代英語教育』1997年5月号 特集「伊藤和夫」の業績)(リンク先はpdfファイル)

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