「求婚の広告」
2007/04/02 (月) 21:25カテゴリー: 未分類
「来るべき誰かのために、その誰かへの歓待のために」と昨日「引越し」と題したエントリで書いたのだが、書きながらこの詩を連想していた。なので忘れないうちにメモ。
一日もはやく私は結婚したいのです
結婚さえすれば
私は人一倍生きていたくなるでしょう
かように私は面白い男であると私もおもうのです
面白い男と面白く暮したくなって
私をおっとにしたくなって
せんちめんたるになっている女はそこらにいませんか
さっさと来て呉れませんか女よ
見えもしない風を見ているかのように
どの女があなたであるかは知らないが
あなたを
私は待ち侘びているのです山之口貘 求婚の広告*1
旧かなづかいでも記しておく。
一日もはやく私は結婚したいのです
結婚さへすれば
私は人一倍生きてゐたくなるでせう
かやうに私は面白い男であると私もおもふのです
面白い男と面白く暮らしたくなつて
私ををつとにしたくなつて
せんちめんたるになつてゐる女はそこらにゐませんか
さつさと来て呉れませんか女よ
見えもしない風を見てゐるかのやうに
どの女があなたであるか知らないが
あなたを
私は待ち侘びてゐるのです山之口貘 求婚の広告
*1:初出は『思弁の苑』むらさき出版部、1938年。




