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貧困の光景

2007/03/12 (月) 00:47
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貧困の光景

曽野綾子『貧困の光景』(2007年1月、新潮社)読了。著者は小説家として知られているが、この本は著者が日本財団および海外邦人宣教者活動援助後援会(JOMAS)でアフリカ・インドなどの貧困に直面し、その実態と日本の社会状況・様々な言論との断絶を素描した本である。もともとは『新潮45』の連載「夜明けの新聞の匂い」で、なにか一つの家族の実態を数年間追ったとかいうドキュメンタリーではない*1。だがODAで金をばらまくこと、あるいは単なる善意の街頭募金だけでは本当の貧困はなにも解決しないという実情を描いている点で勉強になった。なお著者はしばしばアフリカの「貧困」と日本の「貧困」とがまったく違うものであることを指摘した上で、日本の(とりあえず食べ物に困らないような)貧困層はアフリカで本当の貧困を学べばよいと主張している。この主張に関しては、仮にそうして学んでも日本の貧困をなんら解消することにはならないのだから、私は賛同しかねる。もちろんアフリカの貧困解消に生涯を費やすべきだ、と著者が主張しているのならそれは一つの「解決」になるわけだが、そこまでは踏み込んでいないように思われる*2

*1:なお章ごとに附された執筆の日付は、2005年2月21日から2006年11月1日までとなっている。

*2:内容のまとめは2007年5月18日にはてなグループのほうに一旦移動。[5/18]

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