バトン2

補遺の補遺:駄目だ。全くなっていない。本当の問題は上の「補遺」から始まる。要するにAを幸福にすることなぞ一体全体可能なのかという問題なのだ。或いは(5)で述べた第二の反論はここで初めて有効になる。つまり問題はこうだ。「相手を幸せにできると自分が確信しており、それへの論拠も説得的である場合、それでも相手が拒否する自由を受け入れられるか否か。またそのどちらを愛と定義するか。」
人生の目標を幸福に置くことは古い時代から行われてきたが、しかしそれは各人それぞれにとっての問題でしかありえない。一般的な幸福など存在しえない。それは「一般的な人生」「平均的な人生」なるものが存在しえないのと全く同様に存在しえない。
そうした時「自分が『これが幸せだ』と思う状態にAを追い詰める」ことによってAを自分のうちに回収するという暴力が浮かび上がってくる。たとえそれで本当にAが幸福感を感じたにせよ、だ。この場合愛の対象とはA自身ではなくてAの偶像ではないのか。そのときAを愛していると言えるのだろうか。そうするとAを愛することは選択肢1ではやはりあり得ないのではないのか。[11/30]

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