Bourée
2005/11/28 (月) 18:05カテゴリー: 音楽
「テルプシコーレ」の中に入っているBourée(XX)*1の演奏について個人的に語るというどうでもいい人が圧倒的に多そうなメモです。3枚しかないけど許して。金管アンサンブルにはノータッチですが許して。(笑)
- Munrow盤

The Early Music Consort of London(1973). 私はテンポと響きからこれが一番好きです。中間部に入る間の取り方とか。ラケット(rackett)という楽器群を使ってますが、非常に面白そうな楽器です。詳しくはこちらの「楽器庫」>「ルネサンス管楽器」をどうぞ。バスラケットでワイン瓶くらいの大きさだそうです。2トラック目でSpagnolettaをリコーダーアンサンブル+αでやっているのが素敵。 - Pickett盤

1985年。Munrowに影響を受けたP. Pickettと彼のNew London Consortによる演奏。たぶんこっちのほうがMunrowより聴きやすいはず。Munrowのrackettに代えてcurtalを中心に用いている。curtal(特にbass curtal)は今のbassoonの原型。画像はこちらの下の人を見てください。Praetoriusからの画像も載ってます。途中のバレー組曲(「王女のバレー」が入っているもの)でフルートアンサンブルとリコーダーアンサンブルが入れ替わって微妙に音が変わるのが面白い。 - Neumeyer盤

70年代(?)。Collegium Terpsichore. かなり趣の異なった演奏。解説に「ピッコロ」とありますが、音からして多分今言う「ピッコロ・フルート」ではなくて当時で言う「ピッコロ・フルート」、つまり「小さいリコーダー」のことではないかと*2。ちなみに最初聴いた時、この盤の1曲目にかなり衝撃を受けた。多分ツィンク*3の音で音程がやや不安定だったので、まるで現代音楽に聴こえた。ついでに「テルプシコーレ」の中に入っている「ルプリーズ」も衝撃的だった。自分が知っていた編曲とかなり違ったので。 - おまけ:吹奏楽編曲版

この前買ったもの。3楽章にこのBoureé(XX)を使っている。なんというか曲に対するアプローチの仕方が全然違うので同じように評価はできないが、Margolisの編曲は原曲の流れるような感じを台無しにしてしまっていると思う。旋律を様々な楽器群に間欠的に演奏させることで一定の効果を挙げると同時に流麗感を犠牲にしてしまっているのではないだろうか。
*1:ほんとは「ブーレ組曲」らしい。2曲組合わさってるもんね。
*2:いわゆる音楽史的なバロックの時代では「フルート」と言えば縦吹きの笛のことを指した。横吹きの場合は「トラヴェルソ(traverso)」のように「水平な、横の」という語をつけて区別した。なお日本ではこの時代の横吹きの笛を指して特に「フラウト・トラヴェルソ(flauto traverso:イタリア語)」と呼んでいる。もちろん後世の「フルート」のように金属製だったり複雑なキーがついていたりはしない。
*3:zink(ドイツ語)。古楽器界ではコルネットcornetto(イタリア語):cornet à bouquin(フランス語)とも呼ばれるが、Adolf Saxの開発したcornet à pistons(こちらがいわゆる金管のコルネット)と紛らわしいので日本ではもっぱらツィンクと呼ばれる。唇の振動を音源とするので「金管楽器」だが、木製でリコーダーのように穴の開いた管を押さえて管の長さを調整する。セルパン(serpent,大型のzinkのこと。)も一緒に写っているが、画像はこちら。というか歴史的にはツィンク、セルパンらにピストン式の管長調整法が導入され、金属製になって出来たのがサクソルン属(コルネット、テューバ等)。




