『つむじ風食堂の夜』

政治とは妥協の芸術、なんだそうだ。

もう少し正確に言うと、Politikとは die Kunst des Möglichen und ihre Tugend der positive Kompromiß らしい(1)。ドイツ語を忘れて久しいが、ためしに訳せば「可能性の芸術であり、肯定的な妥協の産物である」とでもなるだろうか(間違っていたら教えてほしい)。

さてこれを聞いてホンモノの芸術家がなんと思うかは分からないが、もし人生にも政治の側面があるとするなら、人生もまたある意味では妥協の芸術なんだろうか?

人はそんなふうに言い聞かせながら、年をとっていくものかもしれない。あるいは、年を重ねるということが即ちそういうことなのかもしれない。

どこともしれない不思議な街、月舟町での交錯を描くこの小説にもそんなシーンが現れる。

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  1. Oswald Panagl, Fahnenwörter der Politik: Kontinuitäten und Brüche, S.204. vgl. GoogleBooks [戻る]
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『世界は仕事で満ちている』

water
Creative Commons License photo credit: shoothead

あなたが、そして私が使っているモノにはかならず物語がある。

たとえば、今この文章をご覧になっているディスプレイ。それは今までどれだけのものを写してきたのだろう。ひょっとしたら、あなたはそれを見て笑い、感心し、涙したかもしれない。
あるいはまた、その机の上で書かれたもの・読まれたもの。それはあなたがやりとりした情報そのもののはずだ。そしてその情報は、あなたの人生に何ほどかの足跡を残してはいないだろうか。

だとすれば、そのディスプレイ、その机、それらはあなたの生きてきた時間に他ならない。

場所にも、そうした物語がある。広場、甍、柱、そうしたものに場所の記憶は宿り、そこを数限りない人々が通り過ぎていった。違うのは、人の物語は時間に流され、時間を捨てることによってこそ人は新しくなれるが、場所は留まり、流れず、ただ忘れ去られるということだ。

物語の背後には、人がいる。モノの背後には、仕事がある。仕事をしているのは、誰でもない。人だ(1)

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  1. モノの記憶については谷川俊太郎氏の「一本の鉛筆の向こうに」を思い出したことがあった。河井醉茗「ゆづり葉」と並べて書いたエントリだ。 [戻る]
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親/子の10年間、あるいは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

despite.
Creative Commons License photo credit: piermario

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』(以下『破』)を見てきました。以下、ネタバレ込みの感想です。

10年位前にテレビで『新世紀エヴァンゲリオン』が流行った頃は私はまだ10代で、学校の友人がはまって物真似しているのを横目で眺めていた程度。前作の『序』も見ていないというほとんど予備知識がない状態で、金曜日のレイトショーを見てきました。
ちなみに知っていたのは「シンジがゲンドウという人の子ども」とか「子どもたちがシンクロしてロボット(=エヴァンゲリオン)に乗って戦うらしい」という程度で、パイロットの3人が同じ学校に通ってるとか知らなかった……。設定だとエヴァンゲリオンはロボットではなくて人造人間なんだそうですね。映画見終わってから「そう言えば『使徒』ってなんで攻めてくるの?」とかいう質問をする始末。(笑)

色々とテレビ版との違いを分析したり元ネタを探す楽しみもあるようですが、そちらは詳しい方にお任せします。

で、『破』を見終わった直後の私の感想は「見る側の私(or我々)は(そして作る側も?)『宮崎駿の子ども(たち)』なんだなあ」ということ。

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通勤を快適にするイヤフォン、SHURE SE102

Gare de Strasbourg
Creative Commons License photo credit: on1stsite

今までiPod touchに使ってきたaudio-technicaのイヤフォンがプラグ部分付近で断線したので、6月からSHUREのSE102というイヤフォンを使っています。外部からの遮音性がとても高く、その意味で癖があるイヤフォンなのですが、おもに通勤時に使う身としてはとても助かっています。

発売日:2008-02-22
ちょっと期待しすぎました^^;
英語のヒアリングの勉強用にと思い、初めて購入したノイズキャンセリングヘッドホンです。朝、電車で移動しながら使っています。通常のヘッドホンでは、電車の騒音に掻き消され全く…
あまなつShopあまなつで見る同じレイアウトで作成

今まで使っていたaudio-technicaのものが壊れた時にはノイズキャンセリング機能のあるものを試そうと思い、同じaudio-technicaのATH-ANC3にしようと思っていました。しかし置いてあった量販店で試したところあまり周辺のノイズ(騒音やBGM)がキャンセルされず(笑)、それならば買うのはやめてネットで評判が高いSHURE製品を、と試しに購入してみました。SE102はプロユースをメインとするSHURE社のラインナップでは一般用のエントリーモデルに位置するもので実売1万円を大幅に切るモデルですが、個人的にはちょっと手放せなくなりそうな勢いです。

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読書家のいる「図書館」 Cafe & Bar Mind @新橋

don't panic
Creative Commons License photo credit: reinn

最近多忙という言い訳をつけて本から遠ざかっている私だが、「プロの読書家」の肩書きを持つ方がお店を持ったという話を聞きつけて、水曜日(6月24日)にうかがったのがタイトルのお店「Cafe & Bar Mind」。新橋といえばサラリーマンの街=赤提灯というイメージ(偏見)だが、高速道路そばの店内は白っぽい内装でまとまった清潔な感じの空間だった。

「プロの読書家」の肩書きをお持ちなのは和田晃一氏(ブログ「IDR(Intelligence Design Room)」)。株式会社エスキューブドの執行役員もお勤めになりながらこの「Mind」のブックソムリエもされるという。ブログの写真からはちょっとタフな印象を受けるが、実際にお話しすると歴史から自然科学まで幅広い知識に裏打ちされたユーモアをお持ちの方だった。その知識の該博さはブログをご覧になればお分かりになるかと思う。

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